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刑事事件で私選の弁護士を選任している被疑者は少ないのが現状です。
2007年の地方裁判所における刑事事件で私選の弁護士の選任された割合は約25%で、国選で選任された割合の約75%と比べて約3分の1です。

1981年には刑事事件で私選の弁護士の選任された割合が約41%で、国選の弁護士の選任された割合の約57%であったのに比べると、国選の弁護士を選任する割合が増えているのに対し、私選の弁護士を選任する割合は減っています。
この傾向は簡易裁判所でも同様で、2007年の簡易裁判所における刑事事件で私選の弁護士の選任された割合は約8%で、国選の弁護士の選任された割合の約90%と比べて約11分の1です。

私選の弁護士を選任することを比較的イメージしやすい否認の刑事事件ですら、2007年の地方裁判所の刑事事件の約43%しか私選の弁護士が選任されていません。同じく私選の弁護士を選任することを比較的イメージしやすい高等裁判所の刑事事件も、2007年の高等裁判所の刑事事件の約28%しか私選の弁護士が選任されていません。
全国的に刑事事件に関与する私選の弁護士が少なくなる傾向がある一方で、東京に関してみると、2008年4月1日現在で私選の弁護士として受任されうる当番弁護士への登録状況も東京3会でいずれも20%前後で全国平均の40%の半分です。

そもそも当番弁護士として登録していても2007年度は全国で21%しか受任に至っていません。

東京の弁護士は当番弁護士への登録もしていない弁護士が多いのですから、当番弁護士以外に私選の弁護士として刑事事件を受任している弁護士を除いて、東京の弁護士で刑事事件の私選の弁護士として活動している弁護士は少数派になります。
では国選の弁護士として刑事事件に関与しているかというと、2007年の4月1日現在の国選弁護士契約を結んでいる弁護士は東京の3弁護士会で約29%と全国平均の約46%を大きく下回ります。

国選弁護士契約を締結している弁護士1人当たりの担当被告人数も2.6人と、全国平均の5.9人に遠く及びません。

東京の弁護士は国選の弁護士としても一部しか刑事事件に関与していないことがわかります。
刑事事件の被疑者は私選の弁護士を求めてはいないのでしょうか。 刑事事件に私選の弁護士が弁護活動をする場面が少ない中で、2007年は勾留請求された被疑者の約50%が当番弁護士との面会を希望しています。
この中で実際に弁護士に事件を依頼した割合は9.8%と10%に満たない状況です。

このデータから何を読み取るかは人それぞれでしょうが、被疑者が刑事事件で私選の弁護士を依頼しようと思っても、実際には刑事事件を専門的に扱っている弁護士や、刑事事件の経験が豊富な弁護士に出会えていないのではないでしょうか。当番弁護士を呼んで話を聞いたものの、言い分をしっかり聞いてくれない、刑事手続について納得のいく説明を受けられなかったなどの理由で当番弁護士に刑事事件を委任しなかった被疑者に会うことはよくあります。
私選の弁護士のほうが国選の弁護士よりも一般的に良いということは決して当てはまりません。どちらも同じ刑事事件の弁護士として被疑者のために被告人のためにベストを尽くすはずです。しかし刑事事件において被疑者や被告人と弁護士との信頼関係が極めて重要であることからすると、被疑者が自分で依頼したい弁護士を選ぶ私選弁護士は、もう少し増えてもいいのではないかと思います。











